秋の乾燥から呼吸器の粘膜を守る野菜として、秋から冬にかけて出回ります。
おせち料理でも使われる野菜「ユリ根」ですが、新型コロナウイルスの対策として粘膜を潤すことから、今は春ですが紹介することにしました。
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ゆり根とは…古くから漢方の薬用
ゆり根とは、英語で「Lily bulb」漢方では百合(びゃくごう)と呼ばれています。
ユリ科の植物の球根の部分で、玉ねぎ・にんにく・らっきょうの仲間ですが、様々な種類がありその多くはアクが強すぎて、食用には適しません。
現在食用とされているのは、ヤマユリ、オニユリ、コオニユリ、カノコユリの4種類とされ、食用に育てられています。
ユリ根は京都で多く栽培されていて、8月頃から秋にかけて収穫され、北海道では10月頃から収穫がはじまるので、ぬかに埋めて保存し、お正月の料理に使われています。
ユリ根がよく使われるのはおせち料理のきんとん、甘露煮や、茶碗蒸しなどにも使われます。
おいものようなホクホク感とほんのりとした甘みと上品な味わいから、京料理によく使われているような気がします。
薬膳の食養生の食材として乾燥したものもありますが、生のものでもぬかと一緒に流通されており、冷蔵庫などで保存すれば数ヶ月は保存できます。
ゆり根の形は、まるで花のように鱗茎(りんけい)が幾重にも重なっていることから、「年を重ねる」という意味で縁起物とされています。
古来ではゆりには霊的な力があると信じられ、その力で天上の扉を開いてくれると信じられていたため、 「新たな一年を無病息災で暮らせるように」との願いや、子孫繁栄を天に祈る意味も込められています。
食用ゆり根に含まれる栄養
ゆり根は芋などと同じように、主な成分は炭水化物で栄養価も高く、じゃがいもの2倍のタンパク質が含まれていることから、滋養強壮に良い食べ物です
他の食材では摂りづらいカリウムや葉酸・リンなどの栄養素が摂れるため、非常に優れた食材の一つです。
- カリウム
ゆり根は、むくみの原因となる、余分なナトリウムを体内から排出し水分量を調節させ、腎臓に溜まりやすい老廃物の排泄を促す働きや、血圧を下げるので高血圧の予防になります。
カリウム含有量は100gあたり740mgもあり、トップクラスの量と言われています。 - 葉酸
葉酸は貧血対策になるビタミンのひとつで、葉酸が豊富に含まれる野菜や果物よりも高く、100gあたり77μg含まれています。
ストレス耐性を高める効果や、糖代謝を活発にして食べ物を効率よくエネルギーに変える働きをしてくれます。
妊婦さんや妊娠前女性にとっては大切な栄養素で、お腹の中で胎児が育つときに、先天性の異常を排除する効果があります。 - 食物繊維
ゆり根には100gあたり、体内の有害な物質の吸収を妨げてくれる水溶性食物繊維が3.3g、腸壁を刺激して便の排出を促してくれる働きがある不溶性食物繊維が2.1g含まれていて、水溶性と不溶性の食物繊維を、バランスよく含む食材です。
ゆり根にはコレステロールの上昇を抑えるグルコマンナンも豊富で、他に鉄・リンなど、他の食材では摂りづらい栄養素が摂れるため非常に優れた食材の一つです。
食用ゆり根の効果効能
ゆり根は通年販売されていますが、旬の秋口に収穫した採れたてのものが最も良く、漢方・薬膳では乾燥されたものも用います。
ゆり根は中国や日本でも、古くから漢方の薬用として、秋の乾燥から呼吸器の粘膜を守り、肺を潤して咳を止めるのに優れた効果があり、滋養強壮や利尿の他に、精神を安定させてイライラを解消するなどの鎮静作用の薬用として処方されます。
ゆり根には粘性の高いビタミンが含まれているので、毎日継続して食べることによって、新陳代謝に効果的とされ、ゆり根に含まれている天然の抗酸化物質によって、白血球の働きや造血作用を高めてくます。
外敵から体を守る単核細胞や貪食細胞を増やし、化学療法や放射線治療による細胞の機能低下を防ぎ、免疫力を高める効果が注目されています。
食用ゆり根の食べ方
ゆり根は、100gあたり125kcalで、炭水化物が多くサツマイモとほぼ同じカロリーです。
ユリ根は火をあまり通さないで食べるとシャキシャキしていて、火を通すとホクホクし、もっと火を通すとネバネバした食感になり、火を通す時間で食感が変わる野菜です。
ゆり根は、ホクホクした状態で食べる料理が好まれる方が多く、お粥などのトッピングや、茶碗蒸しやみそ汁などの具材で使ってみましょう。
これからレシピも追記していきますが、生のゆり根は入手しにくい食材でもあるので、薬膳教室では乾燥物を利用することが多いです。
是非、粘膜を強化して肺を潤すウイルス対策に、ゆり根も加えてください。
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