スパイス「フェンネルシード・茴香」効果とハーブ料理!漢方では胃腸薬

フェンネルシードはカレーを作る時に、使う方が多いのではないでしょうか。

海外では食後のガム代わりにして、お口直しに使用されることもあります。

私は魚に合うスパイスで、最初に思い浮かぶハーブは「フェンネルシード」です。

フェンネルは、花・葉・種と無駄にすることなく使うことができるハーブですが、フェンネルシードと呼ばれる種を使ったスパイスが人気で、使い勝手がいいです。

生薬としても使われている「フェンネルシード・茴香」について、ご紹介します。

スパイス「フェンネルシード・茴香」とは

「フェンネルシード」とは、フェンネルという植物の種のことです。

魚の香りを回復してくれるということから中国では「茴香(カイコウ)」と呼ばれ、日本では「茴香(ウイキョウ)」と言われています。

昔から世界各地でハーブやスパイスとして使用され、古代ローマやエジプトでも料理に使われていた歴史のあるスパイスです。

アングロサクソンの“9つの神聖なハーブ”の1つで、食用や薬用として利用されていました。

フェンネルはセリ科の植物で、花は料理には使いませんが、種以外に葉や茎もスパイスや野菜として使われている植物です。

フェンネルはセリ科の多年草で、2mぐらいまで成長する背が高い植物で、黄緑色をしていて、茎からは細長い葉が枝分かれしたように生え、夏に黄色の小花が咲くかわいい草です。

秋になると茎全体を刈り取って乾燥させ、種子を収穫し「フェンネルシード・茴香」ができます。

「フェンネルシード・茴香」の栄養と効果

「フェンネルシード・茴香」は、抗酸化作用があるので、毎日の食事に取り入れれば、免疫力アップにも役立ち健康にもつながるヘルシーな食材です。

「フェンネルシード・茴香」の栄養成分

  • アネトール…消化促進や去痰作用・生理不順や更年期障害の改善
  • フェンコン…胆汁の分泌を促して、消化促進作用・鎮痛や鎮静作用
  • フラボノイド…抗酸化作用・動脈硬化の予防・毛細血管を保護・血圧を正常化
  • 脂肪酸(オイリン酸、リノール酸)…血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす作用
  • 有機酸…細胞膜やホルモンの原料を供給する体内では合成されない脂肪酸・腸内細菌を整え悪玉菌の発生を抑制

「フェンネルシード・茴香」は、消化酵素を分泌して、消化を促し腸内環境を整えてくれる効果があることから、胃腸薬にも配合され、脂肪や炭水化物の代謝にも良い働きをします。

胃の蠕動運動を促進することで便秘の改善にも効果が期待でき、ガスの排出も助けることから、胃腸の健康を保ちます。

そして、血行が促進されることで体内のめぐりが良くなって、冷え性も改善され、利尿・発汗作用がはたらき、むくみの改善も期待できます。

女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするので、閉経前後のエストロゲンの分泌が低下してきている女性の「更年期障害」を和らげると言われています。

漢方では胃腸薬で使われている生薬

種子である「フェンネルシード・茴香」は、消化を助ける漢方薬の原料として古くから使われ、和漢薬として腹痛、嘔吐の薬として処方されています。

インドでは、消化促進や腹痛、下痢緩和の生薬として使われています。

一般用の漢方製剤294処方で、安中散(あんちゅうさん)など4処方に配合され、大正漢方胃腸薬という薬で、「安中散(あんちゅうさん)」という漢方薬で、フェンネルやシナモン等を配合させたものでは、フェンネルが多く使用され、「太田胃酸」や「仁丹」など、馴染み深い薬にも使用されています。



ハーブ料理「フェンネルシード・茴香」スパイスとしての使い方

シードとは本来「種」を意味しますが、フェンネルシードは「果実」部分で、「フェンネルシード・茴香」は、漢方薬だけではなく、スパイスやハーブとしても料理で使われ、甘くて爽やかな香りが最大の特徴です。

「フェンネルシード・茴香」の使い方では、カレーのレシピに登場する定番のスパイスですが、カレー以外にも肉や魚のほか、野菜とも相性がいいスパイスです。

魚の臭い消しとして利用されることが多く、焼く・煮る・添えるなど、様々な使い方があり、パンやお菓子・お酒の香りづけなどにも利用されています。

香辛料や漢方などにして、何気なく口にされることが多い「フェンネルシード・茴香」ですが、ニンニクといっしょにフェンネルシードで油に味付けをして、肉や野菜を焼く時のスパイスとして利用すると、その香りだけでもワンランクアップした料理が出来上がります。

「フェンネルシード・茴香」は、青魚よりも鮭や白身魚など淡白で比較的あっさり味の魚に良く合います。

魚のムニエルを作るときに、フライパンの油に「フェンネルシード・茴香」をしみ込ませて、魚のバター焼きも美味しいです。

中華料理に欠かせない「五香粉(ウーシャンフェン)」の主要スパイスでもあることから、知らず知らずのうちに、「フェンネルシード・茴香」は口にしています。

ドレッシングのように使うこともできることから、ニンジンを千切りしたニンジンを甘いドレッシングで和えたフレンチのお惣菜「キャロットラペ」にも、「フェンネルシード・茴香」はとても合います。

ニンジンは少量の油でいためることで、栄養価がアップします。

フライパンに少量の油を入れ、「フェンネルシード・茴香」をひとつまみ入れて、油に「フェンネルシード・茴香」の香りをしみ込ませて、半生ぐらいニンジンを炒めます。

そして、キャロットラペの合わせ調味料に漬け込みます。

合せ調味料
・レモン汁 大さじ1
・お酢   大さじ2~50ml(好み)
・蜂蜜   大さじ2~
・オリーブ油  大さじ1.5~
・塩、胡椒  少々

グレープフルーツなどの柑橘類を加えても美味しいです。

料理で使うハーブは、肉や野菜・野菜と同じ食材を焼くだけの調理方法でも、加える調味料で味のバリエーションが楽しめ、ハーブはワンランクアップした料理のように感じられます。

上品な白身魚のような淡泊な味の食材に、寄り添う爽やかさを感じて美味しさを引き立ててくれるハーブは、フワッと口の中に広がる香りも楽しめます。

スパイスは脇役ですが、健康効果抜群で香り豊かなスパイスを使うことで、その魅力を最大限引き出すことができます。

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【「和漢膳料理研究家」女子栄養大学にて食生活指導士・漢方養生士・中医薬膳士・防災士・ペット食育士】 生涯学習コーディネーターとして、学校支援地域本部事業や成人の学習支援に参加し、生涯学習の振興発展に寄与することを目的とする自治体に登録し、公共地域の活動に参加しています。講演内容は、子どもの食育・成人の療養食・防災食・動物の「食」について、企業相談や地方講演を行っています。

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“漢方養生士・中医薬膳師・女子栄養大学食生活指導士”として「薬膳・ローフード・スローフードの健康的な食事」
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