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季節や体調に合わせてメニューを考える
食事のメニューを考える時、何を目的に考えますか?
私の場合は、家族の年齢と体調管理を基本にしています。
幼児の孫から90歳の高齢者まで7人の基本は、年齢幅がありますが、現在健康診断で問題がない状態を維持しているので、季節に応じた養生が基本。
季節によって、その自然環境に合わせ、体は変化していきます。
その変化に応じて料理を考えていきます。
自然治癒力や味覚が生きていると、その季節ごとに食べたいものを自然に欲するのですが、現代では食べたいものがいつでも食べられることから、体のセンサーが壊れているため、欲に任せて食べてしまいます。
センサーが壊れていると、健康に良いから…とテーブルに出す食事が美味しく感じられなかったり量に物足りなさを感じ、偏った食事を欲するようになります。
そこから、病がはじまります。
旬のモノは、その季節に必要な栄養が多く含まれ、その季節に不要な栄養を含むモノは育たないはずなのですが、人間がコントロールして生産し消費者は食べています。
ですから、完全に自然に沿った食事を取る生活を、私たちはできない環境になっています。
旬のものと通年流通しているモノを上手に組み合わせて、食事のメニューを考えることが不可欠となっているので、今回はひとつのメニューを四季に応じて効能豊かなメニューに替えていく方法を紹介します。
今回の基本メニューは、抗がん作用の栄養が多く含まれている「デザイナーフーズ」を使用するようにし、「ブロッコリーとエビ」にしました。
※デザイナーフーズとは
日本では2人に1人がガンになり、3人に1人がガンで亡くなっています。
アメリカ国立がん研究所が、がん予防に効果があると考えられる127種類の野菜や果物を、ピラミッド型に並べた「デザイナーフーズ・ピラミッド」を発表し、それらの野菜をデザイナーフーズとしています。
ブロッコリーとエビの効能は、別の記事を用意しています。
エビについて
ブロッコリーについて
エビは抗酸化作用や免疫を高める効果が期待できる成分を含み、ブロッコリーは腸内環境を整える食物繊維も多く、強い抗酸化作用と解毒作用があるので、必要な栄養を摂るために通年食べても良い食材になります。
ブロッコリーとエビの炒め物はニンニクと一緒に食べることで、疲労回復効果や免疫力を更に高めることができます。
好きな方も多いのではないでしょうか。
気づくとお皿が空になっている、美味しい一品です☆
「エビとブロッコリーのニンニク炒め」の薬膳的解釈
エビは抗酸化作用や免疫を高める効果が期待できる成分を含んでいます。
ニンニクやブロッコリーと一緒に食べることで疲労回復効果や免疫力を更に高めることができます。
「エビとブロッコリー炒め」に使う食材は、体がいつも冷えている“冷え性”の方や、寒い季節によって体が冷えて不調を感じる方にとって、救世主のようなメニューになります。
“冷え”は万病の元です。
体に冷えを感じている時、体の中では気や血液が停滞しがちになりるので、体の負担になっています。
停滞を回避するには、体の中の水分代謝を司る「腎」が重要な働きをします。
五臓六腑の「腎」は、下半身にある臓器で、尿を作っている腎臓や尿を蓄える膀胱、生殖器など、体内の水分を調節する臓器なのですが、その部分を補ってあげなければなりません。
腎を補い、寒い時の風邪の予防や、温活効果があり低脂肪という、効率の良いメニューのひとつが「エビとブロッコリーの炒め」になります。
それぞれの食材の解釈をご説明します。
【エビとブロッコリーのニンニク炒めの薬膳的解釈】
- ブロッコリーの五性は“平”多くのビタミンCを含み、利尿・抗癌作用があり胃腸に優しい野菜です。
- えびの五性は“温”腎を丈夫にして低脂肪で若さを保つ長寿食です。
- にんにくの五性は“温”胃を温め。五臓の機能を活性化させ風邪を予防できる強い殺菌作用があります。
- しょうがの五性は“微温性”肺を温めて咳の緩和と温活効果があります。
- ねぎの五性は“平性・温性”発汗作用による風邪の予防
五性は5段階に分類されています。
- 寒性…体を冷やして、鎮静・消炎作用がある
- 涼性…寒よりも穏やかに体を冷やす
- 平性…寒涼・温熱のどちらにも偏らないで、常しょくずる食材
- 温性…熱より穏やかに体を温める
- 熱性…体を温め、興奮作用がある
詳しくは「薬膳食養生“五味と五性”は食材のもつ働きを健康に生かす漢方養生法」をご参照ください。
基本レシピ「エビとブロッコリーのニンニク炒め」温活と免疫力アップ!風邪予防
同じ料理を四季に合わせて食材をプラスすることで、効能がその季節に合った料理になります。
家族の体調に合わせて、基本のレシピに効能を期待して食材をプラスしていきましょう。
今回は、下味も漬けず一番簡単なレシピにしています。
エビに下味をつけたい場合は、酒…大さじ1/2・塩…少々・片栗粉…小さじ1
味付けも、一番シンプルにしていますが、仕上げにごま油やオイスターソースやマヨネーズや味噌などを加えるとアレンジできます。
【一番シンプルで簡単なレシピ】材料(2人分)
■材料—–
- えび…120g~好み(無頭殻付きえび10尾ぐらい・むきエビなどでもOK)
- ブロッコリー…1株
- にんにく(みじん切り)…1片分
- しょうが(みじん切り)…1片分
- ねぎ(みじん切り)…適量(好みでなくてもよい)
- オリーブオイル(油)…大さじ1
- 塩コショウ…少々
■作り方—–
- ブロッコリーは小房に分ける。沸騰した鍋に塩を入れて1分半ほど固めにゆでる。ザルにあげて水をきる。
より栄養を保ちたい場合は蒸したりレンジが有効と言われている。
ブロッコリーの下ごしらえは「かため」にして炒め合わせるのがコツ。 - エビは殻をむき、背ワタを楊枝などで除く。
- にんにく・しょうが・ねぎをみじん切りにする。
- フライパンににんにくとオリーブオイルを入れて火をつけずに少々放置。油ににんにくの味をしみこませる。
- 弱火で熱し香りがしてきたらエビを中火で炒める。
- エビの色が変わってきたらブロッコリーを加える。
- ブロッコリーに少し焼きめがついたら、塩少々、こしょうで味を調える。
途中でチキンだしをプラスしてや片栗粉でとろみをつける方法などいろいろと味や食感の工夫ができます。
四季に応じて同じメニューに旬の食材プラス!最強レシピ
薬膳は、健康の維持・老化防止・病気の予防と治療を目的にした食養生です。
効能のある食材を使うだけでなく、季節による変化・体の仕組み・陰陽五行思想など、様々な考えを取り入れていきます。
体は四季によってどんどん変化していきます。
その気候や体調に合わせて旬のモノをプラスすることで、何となく体に合ってしまうものです。
やはり、旬のものはその季節に必要な栄養が豊富に含まれているからですね。
特別な生薬や薬草を用意しなくてもいいのです。
例えば、寒い冬、鶏肉や鮭など体を温める五性の「温性」や「熱性」の性質を持つ食材を選び、血行をよくするショウガやネギ、ニンニクを使うようにするなどで味を整えます。
基本レシピ「エビとブロッコリーのニンニク炒め」四季に応じてプラスする食材の例
- 春…たけのこ・菜の花など
- 夏…とうもろこし・レモンなど
- 秋…ぎんなん・きのこ類など
- 冬…きくらげ・たまご・赤とうがらしなど
この記事を書いているのが冬なので、春と夏の写真の例がありませんが、「エビとブロッコリーのニンニク炒め」に春には「たけのこ」をよく加えます。
夏にはさっぱり仕上げるようにフレッシュなレモンを絞っていただきます。
とうもろこしは、子供たちが喜び、甘く仕上がります。
このように定番メニューに旬のモノを加えていきます。
喘息・咳など、空気が乾燥する秋!銀杏を加えた「エビとブロッコリーのニンニク炒め」
銀杏は薬効が強いので、たくさん食べるものではありませんが、肺の機能を高めてくれるので風邪での咳や喘息などの症状を軽減します。
空気が乾燥する季節に、旬のモノとして出回りますが、殻付きは料理が大変ですね。
私は缶詰や真空になっているなどを使っています。
そして、通年食べることをおすすめしている“きのこ類”も多めに料理に加えます。
今回の写真は銀杏入りのエビとブロッコリーのニンニク炒めですが、きのこを加えてもとても美味しくできます。
免疫力・温活・風邪予防の最強メニュー“腎”を補う
寒い冬の卵は、栄養が豊富です。
「寒たまご」と言って、寒い冬を乗り切るために、普段の卵より栄養価が多いのです。
その卵に、黒きくらげをプラスして、冬に弱ってしまう“腎”を補います。
冬は黒っぽい色の食材(黒豆や黒ごま・黒きくらげ・黒米・昆布・ワカメ、海苔、ひじき、黒砂糖、黒酢など…)をプラス!
味があまりない黒きくらげは、食感がコリコリしているのが嫌いでなければ、どんな料理にも合うので、おすすめです。
私のお気に入り…おすすめの黒きくらげ
「エビとブロッコリーのニンニク炒め」に卵と黒きくらげをプラスするのは、冬こそ食べてほしい養生食。
乾燥黒きくらげは水で戻し、好みの大きさにカットして、ブロッコリーを入れる時に加えます。
卵は炒り卵を事前に作っておいて、エビとブロッコリーが炒め終えた頃に加えます。
手間が2つ増えますが、栄養は数倍にも増え、からだが弱っている時に免疫力があがり、温活効果もアップます。
同じ基本メニュでも、その季節の旬の食材をプラスすることで、自然の力が食事に大きく貢献してくれます。
秋冬の風邪・インフルエンザなど、外に出ればウイルスが飛んでいます。
インフルエンザにかかってしまうのは仕方がないことですが、症状を軽くするためにも、食の養生を心がけていきましょう。
季節によって誰もが弱ってしまう体の方向性があります。
そのダメージを補わないと、風邪をひきやすくなったり、あらゆるウイルスとたたかう力…免疫力が落ちていきます。
そして、体を温めることは、体が強くなります。
是非、インフルエンザや風邪・様々なウイルスと戦える力をつけてくださいね。
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東洋人である日本人のDNAによる体質をいかした食事を心がけて…♪
日本人(東洋人)の体質を基本に、温活・腸活・菌活を意識して、生活習慣と食生活を心がけましょう。
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