帆立貝(ベビーホタテ含)干し貝柱の栄養と効能!薬膳を作るコツ

ホタテは貝類の中でも人気が高く、手軽に食べられる貝柱や貝ひもなどの珍味や、生で食べる寿司や汁物、自然の恵みをそのまま食べる網焼きなど、さまざまなシーンに利用できる万能食材です。

海底を移動するときに開く殻が帆立船の帆のように見えるために「帆立貝」と名付けられています。

ホタテには旨み成分がぎっしり濃縮されていて、乾燥されたホタテの貝柱などは、薬膳でもよく使われます。

ホタテの旬とベビー帆立|貝類は栄養効能が抜群!

ホタテは主に養殖される魚介類のため、一年を通して美味しくいただけます。

自然のホタテは地域によって誤差があり、旬の時期が2回あると言われていて、一度目は産卵が終わった春からプランクトンをたくさん食べるので、貝柱がどんどん大きくなる夏。

二度目は生殖巣(卵)が発達した時期の冬も美味しいです。

旬の季節は、冬~春とも言われていますが、旬は地域によって誤差が大きいですし、養殖ホタテでも天然のプランクトンで育てられているので、天然ものにも劣らない味わいを楽しめます。

天然と養殖のどちらを選んでもいいと思います。

薬膳でよく使われる乾燥された貝柱は旬に時期に乾燥されているものなので、年間常備しておくといいでしょう。

旬の帆立は、結構お値段の張る名産品が多いですが、小ぶりな身をしたベビーホタテは、どれも手頃な価格で流通しています。

ベビーホタテはホタテ稚貝で、養殖のホタテを大きく育てるために間引かれた成長途中のものです。

ベビーホタテは、冬~春の時期に多く出荷されるので、家庭で安価に食べられるホタテとしておすすめです。

ホタテの栄養:タウリンが豊富

ホタテは高タンパク質低カロリーで、栄養で注目するのは「タウリン」です。

栄養ドリンクなど、健康を意識した滋養強壮などの免疫力強化ドリンクは、タウリンに始まって亜鉛やタンパク質で、ホタテには体に良い栄養が豊富に含まれています。

ホタテは魚介類の中でも多くの栄養素を含む優れた食材で、糖質や代謝に関与するビタミンB1によって、滋養強壮・美容効果など生活習慣病の予防にもつながります。

タウリンは成人男性で1日520mgほど必要なのですが、意識していないと平均して摂取不足になっています。

【主な食品のタウリン含有量(100g中)】
サザエ  1536mg
ホタテ  1006mg
ハマグリ 889mg
タコ   871mg
イカ   766mg
アサリ  360mg
豚肉   37mg
牛肉   32mg
野菜類   0mg

肉や野菜を食べても、タウリンのプラスにはなりません。

1日に必要なタウリン520mgを摂ろうと思っても、肉は1.6㎏ぐらい食べないとタウリンの摂取ができませんが、ホタテの場合、大1個か小2個でOKです。

ホタテの効能

タウリンは、体に重要な脳や心臓など、常に動いている器官に多く存在しているため、人体の基本を司る重要な栄養源です。

タウリンは必要な状態・場所で作用し、必要でない時は体外に排出される栄養素なので、過剰摂取による副作用がありません。

そして、熱によってその性質が失われることはないのですが、水に溶けやすい性質なので、料理で出た汁も効率よく摂取しましょう。

その他、貧血に効果があるとされている“鉄”はヘモグロビンをつくり、男性機能の向上させ味覚機能を保つのに効果的な“亜鉛”、脂肪が体に溜まりにくくなる“イノシン酸”二日酔い防止や肝機能に効果がある“アラニン”など、肉や野菜などでは取ることが困難な栄養素が多く含まれています。

漢方薬や薬膳で使われる「干し帆立&干し貝柱」乾物は栄養・効能がアップ

帆立の貝柱は元々タンパク質が約20%もあり、干し貝柱にすると約65%にもなり超高タンパク栄養食材となります。

干し帆立の煮汁からはグリコーゲン様物質が得られますが、これは糖質の仲間です。

この成分には抗癌作用があると言われています。

干し貝(乾貝)は生よりも栄養がアップされるので、効能もアップ!

生の貝柱を乾燥させた干貝柱は帆立本来の旨みや栄養価が更に凝縮され、おいしい食材としてだけではなく古くから漢方薬としても用いられてきた「高級食材」です。

薬膳的解釈

[五味-甘味・五性-平性・帰経-腎・

  • 五味-甘味
    養分を補給し、胃腸の働きを整える作用があります。
  • 五性-平性
    寒涼・温熱のどちらにも偏らないで、常しょくずる食材
  • 帰経-腎・脾
    :“腎”生命活動に重要な精気を蓄える
    :食べ物から得た栄養の消化管理・運化・昇清・統血を司る

 



帆立貝(ベビーホタテ含)干し貝柱を使った薬膳を作るコツ

東洋医学の考え方をもとに、日本人の習慣や体質に合わせて食材に栄養価の高い生薬を加えて作る料理の薬膳が注目されています。

中国で生まれた薬膳は、自国の料理である中華料理を基準に考えられたものです。

日本人の味覚や体質に合わせ、旬のものを取り入れ、不調やバランスの崩れが早く整うように、和食・洋風にアレンジしていきましょう。

「帆立貝」と「ベビーホタテ」を効率よく食べる方法

滋養強壮・免疫力アップやめまいなどに効果的な食材の上、お酒を飲まれる方には特におすすめしたいのがホタテ!

熱を加えても栄養価が落ちるわけではありませんが、熱を加えることで溶け出てしまう水分を余すことなく飲むことがポイントです。

お鍋に入れても、汁を飲まなければ栄養をすべて摂ることができません。

汁など余すことなくいただく前提で料理しましょう。

そして、タウリンの働きを助けるのは「食物繊維」です。

ホタテと炒める時、若しくは別の食材と合わせるときに効率よくするために、免疫力アップも兼ねておすすめしたいのが、きのこ類や食物繊維が多めの野菜を組み合わせることで、一層効果が高まります。

帆立貝や干し貝柱は高価であるイメージから、普段の食事で使う方が少ないと感じますが、1日に必要なタウリンをとるために必要な量は、大きくて1個・小さくて2個です。

効率よく料理することで、余すことなく栄養を取り入れるようなメニューにしましょう。

私が普段の食事で使うのは“ベビーホタテ”が多く、ホタテの中でも小さい理由は、養殖の際に間引きされたものだからで、価格も安く売られています。

ベビーホタテの貝がついている状態で使う時、下処理が必要です。

貝付きのホタテを自分で下処理する時、貝の付着物の白いミミズのようなもの(カサネカンザシとい生物)…私は苦手です。

そのため、私は“ボイルされたベビーホタテ”を使うことが多いです。

生や冷凍になっているボイルベビーホタテがあり、気軽に料理できるように販売されています。

ボイルの場合、ホタテのエキスは若干減っているのだと思いますが、安価で安全に処理されているというメリットによって、食卓にあがることが多くなっています。

高価で食べられない食材になってしまいそうなホタテですが、“ボイルされたベビーホタテ”だと簡単に食材として取り入れることができますし、ボイルによって落ちてしまう栄養も、1食に5~6個と多めに食べることで補えます。

美味しいのでベビーホタテだと、簡単に1日の必要量を食べることができちゃいます。

「乾燥ホタテ」と「干し貝柱」を効率よく食べる方法

常にストックしているのは「乾燥ホタテ」と「干し貝柱」

水でもどして調理しますが、戻し汁は良い出汁になるので、汁ごと活用することで、滋養強壮効果のあるメニューになります。

乾燥された貝柱をフードプロセッサーで粉末にして「ふりかけ」や、鶏だんごに貝柱の粉末を入れても上品な味になり、普通の鶏だんごが滋養強壮によい薬膳になります。

体が疲れていたり、お酒を飲みすぎて体がだるい時、ホタテの戻し汁を使ったお粥などで体を整えることができ、乾燥されていることで甘味があるのでおいしいお出汁料理ができます。

乾燥物は賞味期限が長いため、いつでも養生食を作ることができますね。

そして、珍味としてもホタテが多く販売されていて、添加物をあまり使用していないものを選び、用意しておくと炊き込みご飯などが簡単にできます。

ホタテの貝柱はフワフワと美味しいですが、しっかりと咀嚼したいホタテ耳(ホタテひも)もおいしいですよ。

天ぷらのかき揚げの具材や炊き込みごはんにも使えます。

肉や魚…野菜と食事を作るときに当たり前に思い浮かぶ食材ですが、他の食材ではなかなか摂ることができない栄養を、魚介類を食べることによって摂ることができるので、体を整えることができます。

その中でも、手軽に薬膳料理ができる魚介類の食材のひとつとして、「ホタテ」を取り入れてみてください。

ミネラル分が豊富なホタテには、体液を補い体を若々しく保つ効果や、免疫力を復活させる効果があり、滋養強壮・老化予防によい食材です。

お酒を飲んで肝臓に負担をかけた日や、倦怠感を感じた時など、養生として薬膳料理を意識してくださいね。

ホタテを使った滋養強壮・肝機能アップ・生活習慣病予防におすすめのレシピの紹介

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【「和漢膳料理研究家」女子栄養大学にて食生活指導士・漢方養生士・中医薬膳士・防災士・ペット食育士】 生涯学習コーディネーターとして、学校支援地域本部事業や成人の学習支援に参加し、生涯学習の振興発展に寄与することを目的とする自治体に登録し、公共地域の活動に参加しています。講演内容は、子どもの食育・成人の療養食・防災食・動物の「食」について、企業相談や地方講演を行っています。

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“漢方養生士・中医薬膳師・女子栄養大学食生活指導士”として「薬膳・ローフード・スローフードの健康的な食事」
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“愛玩動物飼養管理士&ペット食育士”
として「犬・猫・うさぎの食事」
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