大麦・もち麦の効果!腸を整え便秘・メタボ・生活習慣病改善と活用法

前ページでご紹介した「水溶性食物繊維が多い食品ランキング!総合評価「大麦」効果は腸の救世主」では、腸を整える食材として、水溶性食物繊維が必要であること…そして、どの食品に水溶性食物繊維が多いのかを紹介させていただきました。

大麦のイメージは、昔食糧不足の時、麦飯を食べさせられたという高齢者が多いことや、臭いごはんという、あまり良いイメージではないかもしれませんが、もち麦は臭くありませんし、腸を整えるために必要な水溶性食物繊維を簡単に摂れる救世主だと思います。

大麦の多くの効果と、家庭料理に上手に取り入れる方法について紹介します。

日本人にも増えている大腸がん…欧米化と食物繊維不足

現代の日本人の腸は、食の欧米化によって大腸ガンになる人が増えているとのこと。

日本人は今まで胃がんが多く、欧米人には大腸がんが多いと言われてきたのですが、近年、日本でも男女ともに大腸がんの死亡者数が増え続けています。

最も大きな原因は、日本人の生活環境と、特に欧米化による食事の変化の影響です。

同じ日本人でも、アメリカ本土に移住した日本人の方々は、胃がんが減って大腸がんが増えたという研究結果があります。

がんの発生には人種的・遺伝的な要因よりも、食事など環境要因が大きくかかわっているということが明らかになりました。

かつての日本人の食事は低脂肪の穀類が多かったのですが、現代は脂肪の多い食事になったことで日本人の腸内細菌を悪化させる要因になっています。

江戸時代から昭和初期まで、ほとんどの日本人は「麦ごはん」を食べていて、白米に大麦を4~6割混ぜたものが主食で、ぬか漬けなどの漬け物やみそ汁で、腸に良い乳酸菌や麹菌を摂っていました。

そのおかげで大腸ガンをはじめ、様々な腸の病気が少なったのですが、食の欧米化によって肉などの量に対して、日本人の食物繊維摂取量が減ってしまっています。

日本人DNAに合った食事を…外国人も自国の食事が体に合うように体は作られているのです。

当ブログで何度も書いていますが、海藻ワカメの栄養は海に囲まれている日本人にとっては、栄養を吸収できる能力がありますが、他の国の人にはありません。

逆に、他の国の人にとって最良の食べ物でも、日本人は栄養を吸収しない場合があるのです。

一例ですが、大豆イソフラボンを乳製品で発酵されている「エクオール」の産生もグラフのように日本人と外国人では全く違います。

水溶性食物繊維の含有量がダントツの大麦-もち麦

食物繊維をきちんととることで、腸が整い元気にすることができます。

腸人体最大の免疫器官で、体に及ぼすウイルスや細菌を殺す6割もの免疫細胞が、腸にあります。

ですから、腸を元気にすることで、病気にかかりにくくできますし、様々な病気の改善ができ、元気に過ごすことができるのです。

そのためには、水溶性食物繊維を摂ることは必須!

水溶性食物繊維も前述したワカメ同様のことが言えるので、今回は日本人のDNAに合った食材をリストアップして、最終的に効率よく水溶性食物繊維が摂れる食品に絞っています。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の摂るべき理想の比率は[2:1]で、効率よい食品として「大麦」という結果になりました。

不溶性食物繊維のグラフは、数値通りたと長くなるのでカットしてあるので、数字を確認してください。

 

大麦の種類ともち麦をおすすめする理由

大麦は米や小麦粉と同じ穀類で、白米と混ぜて炊いて「麦ごはん」として食べるのが一般的です。

大麦には、食物繊維やミネラルが豊富に含まれている上、水溶性のβ-グルカンも含まれているので、腸を整えるだけではなく免疫力強化を目的とされて世界で注目されるようになりました。

大麦の種類として、米にうるち米ともち米があるように、大麦にもあります。

  • 押し麦…外皮をむいて蒸し、平らにしたものです。
  • 胚芽押し麦…加工法は押し麦と同じで、胚芽を残しているので、ビタミンB1やビタミンEが押し麦より豊富です。
  • 米粒麦…米の形に加工された麦で、吸収性がよくなるように蒸してあります。
  • もち麦…大麦の中で水溶性食物繊維のβ-グルカンを最も多く含んでいて、モチっとした食感です。

大麦の中でも「もち麦」は、とてもやわらかくてモチモチしている食感が美味しく感じられ、水溶性のβ-グルカンが通常の大麦よりも1.5倍も含まれています。

同じ量の白米ごはんを食べるよりも、もち麦をプラスすることでグッと糖質量を抑えることができます。

もち麦ごはんと白米ごはんの栄養価の違い

もち麦は、もち麦+白米(1:1)の比率です。※日本食品標準成分表より

栄養価もち麦ごはん白米ごはん
エネルギー229㎉252㎉
たんぱく質5.22g3.75g
食物繊維4.3g0.5g
カルシウム12.2㎎4.5㎎
0.79㎎0.15㎎
ビタミンB0.09㎎0.03㎎

大麦にはうるち性の押し麦などがありますが、もち性のもち麦は、β-グルカンが通常の大麦よりも1.5倍であることや、食べやすさからおすすめしたい麦です。

大麦を白米に混ぜて炊いたごはんは、パサつきがあるので「麦とろごはん」にすることが多いですね。

パサパサした食感で独特な香りがあり、白米のごはんより栄養価ではまさっても、昔ながらの「麦ごはん」やもち麦を使用した料理を、習慣化するには「おいしく」なければ続きません。

その点、「もち麦」は同じ仲間でもやわらかく香りやくせがあまりありません。

大麦の中でもやわらかく香りと味にくせがないので習慣化しやすく、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスがよくなり、腸の働きを整える植物性乳酸菌となり美腸になります。

しかし、ただ「大麦」を食べればよいというわけではなく、腸内には乳酸菌やオリゴ糖なども必要です。

水溶性食物繊維のβ-グルカンと同様に、腸内に善玉菌を増やす納豆やみそなどの発酵食品を食べるとさらに効果的

美腸になるための関連記事を用意していますので、参考にしてください。

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腸を整える「もち麦」の効果:便秘・メタボ・生活習慣病改善

 

便秘にいい!ダイエットにいい!内臓脂肪が減る!…と話題になっている大麦ですが、健康な体に戻すことで、すべての効果があるはずなのです。

腸が整えば…便秘解消になりますし、便秘が解消さればダイエットにつながったり美肌にもなります。

腸が整えば…免疫力がアップしますし、健康診断の数値が良い方に向くでしょう。

「腸を整える」ということは、さまざまな生活習慣病とさよならできるということです。

よく言われている代表的な例をあげてみます。

便秘が解消し快腸になる

不溶性食物繊維が腸内の水分を吸収し便のかさを増やし。腸胃壁を刺激して排便を促し、水溶性食物繊維で腸内の善玉菌を増やします。

もち麦をたべることで、取り入れにくい水溶性食物繊維を多く摂ることができ、2種類の食物繊維をとることでバランスよくなり排便しやすい体になります。

血糖値の急上昇を抑え糖尿病予防

血糖値が急上昇するのは、ぶどう糖をエネルギーに変えるインスリンというホルモンに関係し、高血圧の状態が続くと正常に動かなくなります。

もち麦には、水溶性食物繊維のβ-グルカンの働きによって、消化吸収のスピードが遅くなって、食後の血糖値の急上昇を抑えます。

インスリンが余分なブドウ糖を脂肪として体に蓄える働きも抑えられるので、ダイエットをしたい人や糖尿病が気になる方におすすめです。

コレステロール値が下がる

コレステロールは、体内の細胞膜の材料になり、ホルモンを合成するときに使われるので、血中コレステロール値が高いと動脈硬化などの原因で、脳卒中や心筋梗塞になりやすい体になります。

もち麦の水溶性食物繊維のβ-グルカンはコレステロールを分解し胆汁酸の排出を促し、血中コレステロールが肝臓で分解されるので、コレステロール値が正常まで低下します。

内臓脂肪の減少によりメタボ予防

水溶性食物繊維β-グルカンによって、脂肪吸収を抑制し、内臓脂肪を減らします。

もち麦は噛み応えもあるため、腹持ちよく「食べ過ぎ」を防ぐため、メタボリックシンドロームの予防になります。

高血圧の人の血圧を低下

太っている人が脂肪細胞が肥大化することで、血圧を上げる物質を分泌して、血圧が高くなっていきます。

高血圧の方は、内臓脂肪を減らすことが重要なポイントになります。

血糖値を穏やかにして脂肪の蓄積を抑えることで、内臓脂肪の減少や血圧低下を期待できます。

もち麦にはカリウムが白米の2倍のどあるので、体内の余分なナトリウムを排出するので血圧を下げてくれます。

腸内環境が整い免疫力強化

水溶性食物繊維のβ-グルカンには、腸内の善玉菌を増やし、腸内の免疫細胞を刺激するので、免疫力を高めてくれます。

免疫力が強化されることで、アレルギー症状(花粉症など)の改善や、さまざまな病気に対抗できる体づくりができます。

セカンドミール効果

もち麦に含まれる水溶性食物繊維のβ-グルカンには、血糖値の急上昇を抑え、食欲を調整する働きがあります。

すぐにお腹が減って、また食べてしまう…という方にとって、セカンドミール効果は嬉しいですね。

セカンドミール効果は、体にやさしく働う上、朝食にもち麦を食べれば昼食までその効果が継続します。

朝食にもち麦を食べる習慣をつけると、糖尿病予防やダイエットなど様々な効果が継続します。

朝と夜の1日2回ほどもち麦を食べると、さらに効果がアップします。



もち麦の簡単な活用法

水溶性食物繊維のもち麦は炊いて主食として食べるだけではなく、様々な活用ができます。

まずもち麦は2つの作り方があり、炊く方法と茹でる方法です。

麦ごはんとして食べるのが好きではない方は、茹で麦にしてトッピングとして食べることをおすすめします。

炊きもち麦の作り方

白米といっしょにもち麦を炊きます。

昔ながらの主食の作り方

  • 米を研いで、炊飯器の目盛りに合わせていつも通りの水加減をします。
  • もち麦と、もち麦分の水を追加して、軽くかき混ぜてから炊飯します。

白米ともち麦の比率は好みです。

※参考:はくばく

もち麦を炊いて、1食分を小分けして冷凍庫に入れておくと、食べたい時に食べることができますし、チャーハンなどで手軽に使うことができます。

ゆで大麦の作り方

鍋にもち米を茹でるもち麦も、おかずやおやつなどの活用範囲が広がります。

多めに茹でて保存容器に入れておくと、サラダのトッピングやスープに加えることで、食物繊維量を増やすことができます。

朝の野菜具だくさんのスープにもち麦を入れるだけで、食物繊維がたっぷりの朝食が気軽にできますね。

  • 水1L以上
  • 大麦(もち麦・押麦など)100g

作り方—–

  1. 鍋に水を入れて沸騰させ、大麦を入れます。
  2. ふつふつする程度に火を弱め、時々かき混ぜながら15〜20分茹でます。
  3. 好みの硬さにゆで上がったらザルあげて、流水でぬめりを洗い流します。
  4. しっかり水気を切って、容器に移します。

完全に冷めたもち麦を、密封できる保存容器に入れて、冷蔵庫では4~5日・冷凍庫では3週間ほどの目安で保存ができます。

我家の「もち麦」のお取り寄せ

同じもち麦でも、産地や品種で食感や味が変わりますが、水溶性食物繊維が豊富や上、ポリフェノールがとれるのが「紫もち麦」です。

普通のもち麦より、ちょっとお高いですが、体により効率的に栄養がとれるので、おすすめです。

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東洋人である日本人のDNAによる体質をいかした食事を心がけて…♪

 

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【「和漢膳料理研究家」女子栄養大学にて食生活指導士・漢方養生士・中医薬膳士・防災士・ペット食育士】 生涯学習コーディネーターとして、学校支援地域本部事業や成人の学習支援に参加し、生涯学習の振興発展に寄与することを目的とする自治体に登録し、公共地域の活動に参加しています。講演内容は、子どもの食育・成人の療養食・防災食・動物の「食」について、企業相談や地方講演を行っています。

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“漢方養生士・中医薬膳師・女子栄養大学食生活指導士”として「薬膳・ローフード・スローフードの健康的な食事」
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