「食物繊維」が腸内細菌のエサになる事が明らかとなり、便秘などのトラブルによって腸が停滞することは体に不調をもたらすことの対策や、健康維持においても欠かせないものとしても注目されています。
いいモノ…悪いモノ…とその一点に絞られ情報が広がっていきますが、何事にもメリット・デメリットがありますし、食において全体的なバランスが必要です。
食物繊維を取り上げるにしても水溶性・不溶性のバランスを間違えてしまうと悪化させせてしまうことをお伝えしたいと思います。
Contents
自分の体に合う腸活をしていますか?自分に合う食物繊維を摂る方法
腸活による便秘対策をしても、なかなか腸内環境が改善されない理由は、食物繊維のとり方に問題があるからです。
食物繊維が多く含まれる食品を食べることはとても大切ですが、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の大きく2つのタイプに分かれていることに注意しなければ改善されません。
食物繊維をいっぱい食べればよい…と、いうものではありません。
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」をバランスよく組み合わせた食事をすることで、より効果的に腸へと働きかけてくれます。
せっかく食物繊維をたっぷり含んだ食材を食べて「腸活」をしているのに、便秘を悪化させてしまう例が多いのは、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」のバランスのとり方が問題なのです。
腸活を心がけているのに、お通じに波があり、お腹がはっている感じがして、お腹が重い…なんだか代謝が悪い?と感じている方!
自分の体の状態に合う腸活をしていきましょう。
その「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」のバランスのとり方を説明する前に、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の基本についてご説明します。
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」で美腸に!
腸で消化されなかった食べカスが便になりますが、その食べカスが食物繊維です。
善玉菌のエサになって、腸内環境をととのえることから、「食物繊維」が美腸のカギになります。
その食物繊維は、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」の、2つのタイプに分けることができます。
それぞれの働きと食品のそれぞれの特徴をおさえ、美腸になりましょう!
「水溶性食物繊維」腸に停滞している老廃物を洗い流す働き
水溶性食物繊維の「水溶性」は、水に溶けやすい食物繊維です。
水溶性食物繊維は、水に溶けると水分をたくさん含み粘度を増してゼリー状になり、腸にこびりついた老廃物や有害物質などを便として体の外に排出させています。
炭水化物の消化吸収を緩やかにするので、血糖値の急上昇の防止や、余分な脂質(コレステロールなど)を吸着して排出するなど、体への吸収を抑制してくれます。
善玉菌を増やし、腸の粘膜を守るなどの腸を整える作用があります
お腹の中をゆっくりと通過するので、消化吸収に時間がかかるため、食べ過ぎを防ぐダイエットにも向いています。
水溶性食物繊維が多い食材
水溶性食物繊維が多く含まれている食材
- 海藻類…わかめ、ひじき、のり、昆布、もずく、めかぶ、寒天など
- 野菜…芋類(じゃが芋、里芋、長芋、こんにゃくなど)特にらっきょうの酢漬けがおすすめ。
- 果物…生のプルーン、みかん、アボカドなど。
特にりんごやみかん、オレンジの皮などに含まれています。
りんごの皮以外は不溶性食物繊維なので、皮まで食べることが良いとされているのは、食物繊維の特徴を考えても理解できます。
自家製のジャムを皮つきでつくると、既製品のジャムのようにゼリー状になるのは、温かい水に溶けて、冷えるとゼリー状になるからです。
海藻類や、野菜類であるオクラなどのネバネバ食品に水溶性食物繊維が多く含まれているので、できれば毎食とることをおすすめします。
「不溶性食物繊維」便のかさを増やし、ぜん動運動を活発にする
不溶性食物繊維の「不溶性」は、水に溶けず胃や腸で水分を吸収して膨れる食物繊維です。
豆類の外皮、野菜や果物などでイメージすると繊維質のすじが特徴で、よく噛まなければならないものばかりです。
そのため、満腹感を得られやすいことから、食べすぎを防ぐことができというダイエット効果があります。
便のかさ増しや腸を刺激してぜん動運動が活発になるため便通を促進され、体にとって有害物質を排泄する力があります。
不溶性食物繊維の効果は、何といっても腸内環境の改善とデトックス効果です。
「不溶性食物繊維」が多い食材
不溶性食物繊維が多く含まれている食材
- 豆類…大豆、あずき、いんげん豆、ひよこ豆、枝豆、納豆、おからなど。
- 野菜…ごぼう、切り干し大根、葉野菜、ブロッコリー、菜の花など。
- 果物…干し柿、リンゴなど。
免疫力を高めるきのこ類や大豆類には、不溶性食物繊維は多く含まれています。
ごぼうや切り干し大根など比較的、水溶性の含有量も多いほうなので、一度に摂るにはおすすめです。
今の自分の体にあった「食物繊維」の組み合わせる腸活のコツ
きれいな腸には、様々な効果があります。
そのためにも、意識しなければならないのは食物繊維ですが、前述で書いた2つの食物繊維を腸に上手に働いてもらうために、バランスがあります。
食物繊維の理想的なバランス
【 水溶性:不溶性=1:2 】
食物繊維を食べているのに、便秘が改善されずお腹の調子が悪くなってしまう場合があります。
それは、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つのバランスが悪いことが原因のひとつです。
【 水溶性:不溶性=1:2 】のバランスのとり方は、ちょっと難しいのです。
食品そのもののバランスが、【 水溶性:不溶性=1:2 】のバランスが摂れていないので、どうしても「不溶性食物繊維」が多くなってしまうのです。
納豆やアボカドが良い!麦ごはんでダイエット!…と、よく特集されませんか?
納豆は発酵食品で体に良い…アボカドの総合的栄養のバランスがよい…そして穀物でなぜ他の穀物…特に「玄米」ではなく「麦ごはん」がいいのか…
それは「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」のバランスが単体でも「1:2」と、とてもよい食材だったり、「もち麦」は、主食として食べることが多いと思いますが、1膳から摂れる水溶性食物繊維が多いので、おかずの水溶性食物繊維不足を補うことができるからです。
- 玄米 1膳【 水溶性0.3g:不溶性1.8g=1:6 】
玄米でお腹の調子が悪くなるのは、よく噛まない不消化や、不溶性食物繊維が多いことも原因のひとつです。 - 麦米 1膳【 水溶性1.5g:不溶性0.7g=2:1 】
比率が1:2が理想ですが、麦ごはんは、逆の2:1で水溶性食物繊維が多い食材です。おかずなどの他の食材で不溶性食物繊維が多いために、食事全体のバランスがよくなるのです。
下記のグラフを見て具体的に説明します。
<画像出典:からだプラスより>
子どもの大好きなとうもろこし…不溶性食物繊維が多いために、水溶性食物繊維が不足するために、お腹がゴロゴロ鳴って、腸壁はしっかり動いているいるのに便がでないため、お腹が痛くなるということがあります。
免疫力を強化させるために、きのこ類や大豆食品をとり過ぎると、便が硬くコロコロになることもあるので、水溶性食物繊維を多く摂るような食品と別に食べ、水分を多めにとらなければ腸が整いません。
納豆が体に良い…とよく耳にすると思います。
大豆類の中でも、なぜ「納豆」が良いと言われているか?
それは、大豆単体では不溶性食物繊維が多いのですが、納豆になると大豆のもつ不溶性食物繊維の特性と、発酵によるネバネバ成分が加わって「水溶性食物繊維」の特性がうまく備わる食品になります。
納豆1パックで、【 水溶性1.0g:不溶性2.0g=1:2 】と、これほどきれいに1:2のバランスのとれる食品はなかなかありません。
麦ごはんに納豆や長芋などのトロトロごはんなどが、お腹を整えるメニューに加えるときのこ類を多く食べても便が作りやすくなるのです。
麦ごはんが苦手であっても、水溶性食物繊維をとるコツは“ネバネバ食品”を必ず食べるということです。
便秘の方がむやみに食物繊維をとっても、なかなか改善されない理由は、水溶性食物繊維を摂る量が少なく、理想とされている【 水溶性:不溶性=1:2 】とかけ離れた比率で食物繊維を食べているからです。
注意が必要なのは「切り干し大根」です。
紫外線にあて水分が飛んだ切り干し大根は、栄養素とうまみがギュッと濃縮されるので栄養が豊富で、食べたい食材です。
食物繊維が多いので、ダイエットによい!腸活にいい!と言われる「切り干し大根」ですが、【水溶性3.6g:不溶性18g」なので【1:5】と不溶性がとても多いのです。
海藻類やネバネバ野菜などと合わせて食べないと、腸活になりません。
食べ合せに気を付けて、より効果的に食べるようにするべき食品です。
そして、少ない例ですが、水溶性食物繊維を多くとり過ぎてしまう場合…。
例えば、ネバネバ食品で海藻類のモズクだけを多く食べる場合は、ごはんに豆類を加えて、不溶性食物繊維を摂り調整するようにします。
しかし、水溶性食物繊維が不溶性食物繊維の量を超えることは、グラフを見てもわかると思いますが、なかなかできることではありません。
今、便秘になっている方のほとんどは水溶性食物繊維の不足だと思います。
便の様子を確認しながら、水溶性食物繊維を多く摂る腸活を心がけてみてください。
そうすることで、自分にあった食物繊維の量がだんだんわかってきます。
健康的な便の基準や解決策の関連記事なので、是非参考にしてください。
水溶性食物繊維が少なくなる食事の時の腸活の3つのコツ
食べ物は単体で栄養になるように働いていません。
様々な食材の相乗効果を得ながら、栄養や効果を得ていきます。
便の様子から、「水溶性食物繊維がどうしても少ない…」と、なかなか便の改善ができない方の腸活のコツは、3つです。
1.オリゴ糖をいっしょに食べること。
2.発酵食品を食べること
3.水溶性食物繊維が多い食品を食べる習慣をつける
水溶性食物繊維が不溶性食物繊維より多い食品を探すのは、大変です。
群を抜いて水溶性食物繊維が多い食品は「らっきょう」です。
らっきょうは漢方の生薬に用いられるほど、薬効が期待され、毎日少しずつ食べたい食品ですが、効果が高いため食べ過ぎには注意すべき食材です。
他の野菜の食物繊維は不溶性食物繊維が多いのですが、らっきょうは水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
らっきょう(生)100gあたり
水溶性食物繊維 19.0g・不溶性食物繊維 2.4g 【 水溶性:不溶性=8:1 】
水溶性食物繊維が多い優れた食品で、酢につけてある「らっきょう漬け」は酢酸やオリゴ糖もとれる、腸を整えるためにあるような食品です。
水溶性食物繊維が多い「らっきょう」で食物繊維を調整します。
食べ過ぎは体調不良のもとになるので、大粒で4個ぐらいを限度に食べるようにします。
腸を整えるのに、添加物が使用されているものも弊害になると言われているので、無添加を選ぶようにしましょう。
私のおすすめは、無添加で「らっきょう」のいろいろな味を食べていると飽きないので、こちらの「らっきょう」です。
そして、らっきょうを漬けられる季節になったら、自分でも作っています。
「らっきょう」について関連記事を用意していますので、参考にしてください。
現代では「何となく不調を感じる」という方が、7割を超えていると言われています。
今の長寿と言われている世代は、体の基本をつくる年齢のときに「麦ごはん」を主食とし、発酵食品で漬け物・お味噌汁をいただき…と、体に良いバランスのとれた食事を習慣化されている人が多いと感じます。
何となく、「体が欲するもの」が体に良いもので、センサーが働いて、体に染みついているのでしょう。
〇〇で長寿!病気知らず…とひとつの食材で健康的な生活をおくっているわけではありません。
食べたものの栄養を吸収し、体に不要なモノを出す…という、とても単純なことが難しくなっている現代は、水溶性食物繊維を摂ることが減っているからです。
毎日、食べるのを習慣にしたいのは、ネバネバ料理とらっきょう酢漬け!
水溶性食物繊維を多くとり、発酵食品とオリゴ糖を含む食品を意識して、バランスの良い腸活をしていきましょう。
腸を整えるのに、「腸活」と「菌活」は切り離すことができません。
合せてお読みいただくとお役にたてると思います。
↓当ブログ:新型コロナウイルスのページ↓
↓今月の健康プログラム 目次ページ↓
東洋人である日本人のDNAによる体質をいかした食事を心がけて…♪
日本人(東洋人)の体質を基本に、温活・腸活・菌活を意識して、生活習慣と食生活を心がけましょう。
DNAフードゆるラボ 関連記事
最新記事 by TOMOIKU 京子 (全て見る)
- 7月文月「暮らしの歳時記365日」四季の流れで心と体を整える - 2022年6月24日
- 【6月・水無月】旬の食材を生かして、胃を休めて夏に耐えられる体の対策! - 2022年6月1日
- 6月水無月「暮らしの歳時記365日」四季の流れで心と体を整える - 2022年5月31日