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薬膳の腸活「黒きくらげ」の栄養効果と腎を補う効能
薬膳を意識して献立を考えはじめて、食卓メニューに増えた食材が「黒きくらげ」でした。
黒きくらげというと、中華丼や五目麺等に1~2枚ぐらい具材として使っていたり、一番ポピュラーなのは豚骨ラーメンにドサッと入っている具ぐらい…。
主役になれない食材かもしれませんが、黒きくらげがもつ効能は、主役級です。
黒きくらげはきのこの仲間です。
栄養としては、食物繊維やビタミンB群のほかに鉄やカルシウム・マグネシウムなどのミネラルも含まれていて、存在感のない食材とは違い栄養の宝庫!
黒きくらげは血をサラサラにして増やすとともに、血液の余分な熱のこもりを鎮めて流れをよくするなど、動脈硬化予防や貧血ぎみの方におすすめです。
食物繊維が多いので、腸の働きを整え便秘の解消や、独特のゼラチン質には粘膜の働きを高め、胃腸を丈夫にする効果があります。
薬膳では、冬は腎を大切にする季節だといわれています。
“腎”には生命活動のもととなる精気を蓄えて、発育や生殖をコントロールする働きがあり、寒い冬はその“腎”が弱ってしまうことを「冬の養生」の記事に書きました。
腎を補う食材には黒豆や黒ごま・黒きくらげ・黒米・昆布・ワカメ、海苔、ひじき、黒砂糖、黒酢など…と、黒い色の食べ物に多くみられます。
加齢や仕事など、自然と腎精が減ってしまうことは仕方がないことですが、暴飲暴食や夜更かしなどの体に負担をかける生活習慣をしてしまうことは出来るだけ避けて、黒い食材を食べて腎精を補うことが大切です。
血がサラサラで貧血の予防!特に女性におすすめ
薬膳の解釈で、黒きくらげには、血をサラサラにする浄化作用や血の滞りが改善され、止血作用・不正出血や生理痛・更年期障害など、血と腎臓を補う力があるとされています。
女性は毎月の生理で血を大量に失うため、血の補充に黒きくらげはおすすめです。
美容や健康にぴったりのきのこ類なので、低カロリーの上、食物繊維がが豊富なため、少量食べただけで満腹感につながって、ダイエットにもなります。
女性の体をサポートしてくれる食材です。
腸活の整腸効果:食物繊維はごぼうの3倍!
食物繊維は水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」に分けられ、黒きくらげはどちらの食物繊維も含まれて、特に不溶性の食物繊維が多い食品です。
黒きくらげの食物繊維は、野菜で食物繊維が多いとされているごぼうの3倍もあるので、少量食べても効果を感じられやすいのです。
食べると水分を吸収して膨らむ性質から、腸を動かし「便秘の改善」につながり、整腸作用も見込め、様々な生活習慣病予防になります。
骨を丈夫にするカルシウムと吸収を促すビタミンDが豊富
黒きくらげは、きのこ類の中ではカルシウムが最も多く含まれています。
そのカルシウムやリンの吸収を促すビタミンDの含有量は、食品のトップクラス。
ビタミンDは日光を浴びて体内で作られます。
しかし最近は紫外線対策が進んでいるため、ビタミンDが不足しています。
そのビタミンDが黒きくらげには豊富に含まれているので、カルシウムとの相乗効果があるのです。
カルシウムの99%は骨や歯に存在していますが、残りの1%は神経や筋肉、血液中にあります。
その1%が重要で、神経の安定剤や心臓を正しく動かすために重要な役割があるので、そのカルシウムの吸収を促すビタミンDが豊富な食品は、食べるように心がけましょう。
薬膳の黒きくらげの食べ合せのコツ
薬膳の食材は、スーパーでは手に入りにくと思われがちですが、黒きくらげのように身近な食材も漢方の生薬や薬膳の食材です。
普段の料理に加えるだけで、気になる症状を改善できる簡単な方法です。
黒きくらげは食物繊維が多い食材なので、「オリゴ糖」や「乳酸菌」といっしょに食べるようにします。
「オリゴ糖」や「乳酸菌」というと、ヨーグルトやバターを思い浮かべるかと思います。
黒きくらげを料理をするときに相性の良い、オリゴ糖にはタマネギなどの野菜や豆腐や味噌などの豆類がありますし、乳酸菌は漬物や味噌・醤油といった発酵食品もあります。
高血圧の予防には、豆類の厚揚げの炒め物などがおすすめで、黒きくらげと厚揚げの両方とも浄血作用があり、ドロドロの血になるのを防いでくれます。
どちらの食材も腸内環境を整えてくれる食材です。
普段作っている「野菜炒め」などに、黒きくらげを加えるだけでも、貧血予防になります。
一度に大量に食べるのではなく、毎日血液をつくる循環系にパワーをあげるような気持ちで頻繁に食べるようにしましょう。
そして、貧血がひどい時など、ナツメをプラスしたスープがおすすめです。
黒きくらげとナツメと白菜などの野菜を鶏がらスープで煮ます。
どちらとも血を補う作用が高いので、温かいスープをゆっくりいただいて、具を食べます。
旬は夏から秋ですが、血を健康にする作用をいかして、女性は通年意識したい食材です。
「黒きくらげ」をもっと食卓に!
「クラゲ」という名から、海藻類と想像されることもありますが、山のブナやカエデなどの朽ち木や生木に発生し、食感から“木のくらげ”とも言われるようになったようです。
漢字は「木耳」と書き、耳の形に似ているからとも言われています。
効能をご紹介してきたように、黒きくらげには、動脈硬化など生活習慣病予防、貧血をはじめ婦人科疾患などに効果を発揮しますが、免疫力アップ・抗菌作用・痔や傷口の回復など、様々な効能があります。
注意として、生より乾燥された黒きくらげの方が旨味があり、生の黒きくらげはコリコリ美味しそうですが、必ず加熱料理をして食べるようにします。
生のまま食べると皮膚炎やかゆみを起こす場合があります。
街のスーパーでも、普通に陳列されているので、気軽に手に入る薬膳の食材です。
私は大好きなお店「タマチャンショップ」の国産・黒きくらげがお気に入りです。
黒きくらげは国産自給率1%で、国産品が少なく、スーパーで並んでいる黒きくらげはほとんど中国産。
「タマチャンショップ」の宮崎産の黒きくらげは、とても貴重です。
中国産のぺったり薄いタイプが多い中、宮崎産は美味しく別格でした。
乾燥されていて、水で戻すと生の黒きくらげのようにぷっくりしていて、食感もいい黒きくらげです。
食事のメニューでは脇役かもしれませんが、想像以上の栄養効果がある食材ですので、もっと食卓のメニューに加えたい食材です。
黒きくらげと同時に薬膳料理で大人気の「白木耳(しろきくらげ)」の関連記事も、是非合わせてお読みいただくとお役にたつと思います。
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