前ページでは、「野菜と果実などの植物の力でより健康に!フィトケミカル効果と食べ方のポイント3つ」について紹介しました。
優れた力のファイトケミカルを作り出せるのは植物だけで、「人間は食べることではじめてその恩恵を受けられ、体をつくっています。だからこそ野菜を摂ることが大切です。
ここではファイトケミカルの8つの作用・予防と改善について、2ページにわたってさらに詳しく紹介します。
Contents
ファイトケミカルの生活習慣病予防と改善
野菜と果実などの植物の力で「より健康に!」心がけていくには、ファイトケミカルは注目すべき野菜の機能です。
前ページで、注目すべきことは「野菜の機能」を、ビタミン・ミネラル・食物繊維の栄養素と、ファイトケミカルだと、大まかに2つを紹介しました。
ビタミンやミネラルを含む5大栄養素が体を作る材料で、エネルギー源であることに対して、ファイトケミカルは、生活習慣病などの予防や改善に有効な機能性成分といえます。
【抗酸化作用をもつファイトケミカル】
- アントシアニン…ぶどうの果皮、ブルーベリー、小豆、紫いも、赤じそ、黒豆、紫キャベツ、赤たまねぎ など
- プロアントシアニジン…クランベリー、ぶどうの種、フランス海岸松樹皮エキス など
- イソフラボン…大豆 など
- カテキン…緑茶 など
- リコペン…トマト など
- ケルセチン…たまねぎ、そば、ディル など
- ケンペロール…にら、ブロッコリー、赤たまねぎ、ディル、フェンネル など
- クロロゲン酸…じゃがいも、さつまいも、なす、ごぼう など
- α-カロテン…にんじん、黄ピーマン、唐辛子 など
- β-カロテン…にんじん、モロヘイヤ、しそ、パセリ、ほうれん草、春菊、にら、小松菜、西洋かぼちゃ、みつば、かぶの葉、唐辛子 など
- β-クリプトキサンチン…温州みかん、柑橘類、びわ、柿、パパイア、桃 など
- アリシン…にんにく
- イソアリシン…たまねぎ、長ねぎ
ファイトケミカルは、野菜の中でも苦味、渋味などを強く感じて色が濃いモノが多く、それらは病気の元凶となる活性酸素から体を守って、生活習慣病を予防してくれます。
ファイトケミカルの効果1:「抗酸化作用」
ファイトケミカルの特筆すべきは強力な抗酸化力です。
私たちの体は普通に生活していても紫外線やストレスを無意識に受け、偏った食事などによって多くの活性酸素が体内に発生してしまいます。
それによって体が酸化してサビつき、多様な病気を招いてしまうのです。
その活性酸素を強力に打ち消してくれる働きがあるのが「ファイトケミカル」です。
高い抗酸化作用が認められているビタミンCやEですが、ファイトケミカルの赤い色素成分「リコペン」には、ビタミンEのおよそ100倍もの高い抗酸化力があります。
このように、ファイトケミカルには、効率よく生活習慣病の予防と改善ができることがわかります。
活性酸素は体に悪いのか?
体に良くないと言われている「活性酸素」とは何なのでしょう?
人間はエネルギー代謝を繰り返しながら生きています。
そのときに、体内には活性酸素が発生します。
ですから、活性酸素は避けることができないものですが、体内で退治しなければならないものでもあるのです。
活性酸素は体内の細菌やウイルスを退治し、血管を拡張させるなど良い働きもするのですが、食生活の乱れや環境によって過剰に増えすぎてしまうと、強い毒性を発揮するようになります。
いわば、自動車はガソリンを燃やしながら走行し、排気ガスを出しますが、車は自動的に排気ガスを車外に排出しますが、活性酸素は人間の体内で溜まっていきます。
そのまま体内に活性酸素が溜まってしまうと、遺伝子を傷つけ発がんの引き金になったり、生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症・脳卒中・心筋梗塞など)を招くことになるのです
ファイトケミカルが活性酸素の毒性を消去
考えると恐ろしい「活性酸素」ですが、人間には自分の体を自分で守るために、活性酸素を無毒化する抗酸化システムが備わっています。
ところが、この能力は加齢や食生活などによって低下してしまいます。
すると処理しきれなかった活性酸素が体内に溜まってしまい、より毒性の強い活性酸素に変化することになるのです。
活性酸素にはいくつか種類があり、代表的なものは「スーパーオキシド」と、スーパーオキシドより数十倍もの毒性をもっている「ヒドロキシルラジカル」があり、残念ながら人間は、毒性が強くなったヒドロキシルラジカルを無毒化するシステムをもっていません。
「スーパーオキシド」は、ビタミンCやリボフラビン(ビタミンB2)などの抗酸化ビタミンで無毒化することはできますが、「ヒドロキシルラジカル」には太刀打ちできないのです。
「ヒドロキシルラジカル」を退治するべく力を人間自身が持っていない“無毒化するシステム”
そのこれを無毒化できるのが「ファイトケミカル」なのです。
ですから、自力で無毒化できないものが、抗酸化作用の高いファイトケミカルを意識して食べることで可能になるのです。
毒性の強い「ヒドロキシルラジカル」を無毒化できる食べ物
- アントシアニン…ブドウの果皮 など
- イソフラボン…大豆 など
- カテキン…緑茶 など
- ケルセチン…たまねぎ など
- ケンペロール…にら など
- β-カロテン…にんじん など
- アリシン…にんにく など、
- イソアリシン…たまねぎや長ねぎ など
ファイトケミカルは、植物の苦み、渋み、辛みや色素などに関与する成分で、植物性の食品に含まれています。
色が鮮やかで独特の風味を持っていて、植物性の食品に多く含まれている場合が多いので、やはり野菜は食べるように心がけることが大切なのです。
子どもの好き嫌いでよくあげられる野菜が多いのですが、ファイトケミカルを含む野菜を嫌いな食べ物にしてしまうと、成人になり加齢と共に無毒化することが低下するので、常に体調不良を感じガン化や生活習慣病になりやすくなってしまい苦労することになります。
野菜は何でも食べるられるようにしましょう。
ファイトケミカルの効果2:免疫力を整える3つの作用
新型コロナウイルス予防のひとつに、免疫力をアップさせる方法など、多くのことが騒がれるようになりました。
免疫力とは細菌やウイルスなどの外敵から身を守り、体内で発生するがん細胞を死滅させるなどして、健康を維持する力のことです。
ファイトケミカルは、自分の身を自分で守り、元気に暮らすために必要なシステム「免疫力」にもさまざまな効果を発揮します。
しかし、免疫力が過剰なってしまうと、花粉症やじんましんなどのアレルギー疾患や、リウマチ・膠原病などの自己免疫疾患に陥ることになるため、免疫力は単に高めればいいというものではありません。
免疫力を強化するだけでなく、きちんとバランスの良い状態に整えることが大切です。
強化するだけでなくバランスをとる不思議パワー!
それができるのが「ファイトケミカル」なんです。
「ファイトケミカル」の働きは、大きく分けて3つあります。
- 血液中などの免疫細胞の活性を高めて免疫力を強化して、がん細胞や病原体への”攻撃力”を強くする作用。
- 免疫力過剰によるアレルギー反応や炎症を抑制する作用。
- 風邪やインフルエンザ、食中毒などを予防する”抗菌・抗ウイルス”作用。
このようにファイトケミカルは総合的に免疫力のアップをサポートしてくれるます。
がん細胞や病原体への攻撃力を強くするファイトケミカル
がん細胞や病原体への攻撃力を強くする「ファイトケミカル」
- アリシン…にんにくのは免疫細胞の中でも、がん細胞やウイルスを攻撃するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化。
- β-グルカン…きのこ類はNK細胞を活性化。
- ジンゲロール…生姜のは免疫細胞の主体である白血球の数を増やす。
- β-カロテン…Tリンパ球や貪食細胞などの免疫細胞の働きを活性化。
にんじん、しそ、にら、パセリ、みつば、ほうれん草、小松菜、春菊、モロヘイヤ、西洋かぼちゃ、かぶの葉、唐辛子など
アレルギーや炎症を抑えるファイトケミカル
過剰な免疫反応を抑制する効果あり、アレルギーや炎症を抑える「ファイトケミカル」
- ルテオリン…アレルギー反応を引き起こすロイコトリエンの産生を抑制
しそ、春菊、パセリ、ピーマン、セロリ - ケルセチン…アレルギーの原因となるIgE抗体の産生を抑制する抗炎症作用
たまねぎ、そば、ディル - プロアントシアニジン…抗アレルギー作用や抗炎症作用(花粉症やぜんそく予防)
クランベリー、ぶどうの種、フランス海岸松樹皮エキス - ジンゲロール…抗アレルギー作用や抗炎症作用(花粉症やぜんそく予防)
生姜など
抗菌、抗ウイルス作用があるファイトケミカル
抗菌、抗ウイルス作用のある「ファイトケミカル」
- イソチオシアネート…抗菌作用があり、食中毒の予防効果
大根、わさび - アリシン…抗菌作用に加え、抗ウイルス作用や抗真菌作用(水虫菌を殺す)もあり効果
にんにく - スルフォラファン…胃がんの原因になるピロリ菌を抑制
ブロッコリー、スプラウト類 - フコイダン…インフルエンザウイルスの増殖を抑制する働き
野菜ではありませんが、海藻類
ファイトケミカルの効果3:デトックス作用
好きなものを好きなだけ食べられる飽食の時代なので、肝臓の解毒酵素の量を増やして、体内の有害物質を無毒化する働きが、悲鳴をあげています。
そして、私たちの体内には日々、食品添加物や農薬、大気汚染物質などの有害物質が取り込まれているのです。
食品添加物を避けましょう…とよく言われますが、完全な毒というわけではなく、とり過ぎている食生活になっているので、解毒する能力を超える食品添加物を摂っていることで、肝臓が疲れ体調不良になっていくことへの警告なのです。
食品添加物や農薬、大気汚染物質などの有害物質をデトックスするためには、肝臓にある解毒酵素の力が必要です。
ファイトケミカルは、この解毒酵素を増やして有害物質を無毒化し、体外に排泄できるよう可溶化する作用を高めてくれます。
もし食生活が乱れファイトケミカルを含む野菜が少ないと、解毒酵素の働きが弱くなり、有害物質が発がん物質に変化する可能性大になってしまうのです。
食べただけ体外から出さなければ、油も有害物質も蓄積されていくだけです。
デトックスに関しての関連記事も合わせてご参照ください。
次のページは、続きです…
(がん抑制作用・血液サラサラ作用・アンチエイジング作用・ダイエット作用・ストレス緩和作用)
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東洋人である日本人のDNAによる体質をいかした食事を心がけて…♪
日本人(東洋人)の体質を基本に、温活・腸活・菌活を意識して、生活習慣と食生活を心がけましょう。
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