毎食、体に摂取した栄養素(炭水化物や脂肪など)を代謝して、効率よくエネルギーにできないと、疲労を感じるようになります。
このエネルギー代謝が円滑に行われるために、「ビタミン」はなくてはならない栄養素です。
<3つの栄養素「ビタミン・ミネラル・食物繊維」>
野菜には体が絶対的に必要とする栄養が豊富に含まれています。不足すれば体機能が確実に低下して、さまざまなさまざまなさまざまな病気や不調を招くことになります。
その代表格といえばビタミン。
たとえばビタミンCが不足すれば免疫力が弱まり風邪やインフルエンザにかかりやすくなり、ビタミンEが足りない人は血管中の酸化を防ぎきれずに、心疾患や脳卒中、がんを招きやすくなります。
またミネラルや食物繊維も同様。
カルシウムが欠乏すると骨や歯がもろくなり、ストレスに弱くなり、食物繊維が足りなければ便秘はもちろん、糖尿病や脂質異常症などにもなりやすくなります。
つまり3つの要素は健康をキープするために不可欠なのです。
野菜に含まれる代表的な栄養素の3つ「ビタミン・ミネラル・食物繊維」の、「ビタミン」の効果と効率的に摂る調理法を紹介します。
Contents
なぜ「ビタミン」を意識しなければならないか
多種多様な働きで、体機能を高める潤滑油の「ビタミン」ですが、欠乏するとさまざまな不調や病気を招いてしまいます。
「人間は生まれながらに炭水化物やたんぱく質、脂質など3大栄養素が入ってきたときにエネルギー分解するための酵素(アミラーゼやリパーゼ、プロテアーゼなど)持っています。
しかし、それらの酵素は補酵素「補助する酵素」がなければまったく働きません。
人間はビタミン・ミネラルが必要不可欠にもかかわらず、体内ではほとんど作り出すことができず、「補助する酵素」が必要なのです。
その補酵素の働きをするのが、ほかでもない「ビタミンとミネラル」です。
ビタミンとミネラルを知るうえで、まず頭に入れておいてほしいことは「体内では作り出せないビタミンやミネラルは、食べなければならない」ということです。
<TOMOIKU当サイト:野菜に含まれる「ミネラル」効果と効率的に摂る調理法>
野菜に含まれるビタミンと酵素
私たちの体には、5千種類以上の酵素があります。
それぞれが生命維持に欠かせない働きを担っています。大きくは2つに分けられます。
- 消化酵素
食べ物を分解して吸収しやすい形にする - 代謝酵素
消化酵素が分解した栄養素を使って、生命維持に必要な新陳代謝などを行う
酵素は、ビタミン・ミネラルがないと働くことができず、酵素が働く際には補酵素として、ビタミン、特に多くの水溶性ビタミンとミネラルが必要なのです。
それぞれの酵素に対応するビタミン・ミネラルも決まっているため、特定の栄養素が不足すると、それを必要としている酵素の活動が弱まっていくのです。
弱くなってしまうと、解毒や免疫力の低下、治癒力、修復機能など、さまざまな不具合が生じてしまうのです。
よって、いろいろな種類のビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることが重要で、多種多様な野菜を食べることが必要なのです。
野菜で注目したいビタミン効果
ビタミンにはA、B群、C、D、E、Kなど多種類ありますが、水溶性と脂溶性に分けられます。
調理の方法によって、非効率にも成りかねないので、水溶性と脂溶性があることは知っておくと栄養を効率良く摂取することができます。
水溶性ビタミン効果と食材
水溶性ビタミンは、水に溶けるビタミンのことです。
■ ビタミンB1
糖質からエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持に関わり、ご飯やパン、甘い物などに含まれる糖質をエネルギーに変換するために必要なビタミンです。
また精神ビタミンとも言われていて、ビタミンB1が不足するとイライラしたり、怒りっぽくなるなど心的症状も現れてしまいます。
多く含む野菜…きのこ類全般
■ ビタミンB2
糖質だけでなく、脂質の代謝にも不可欠で、健康な髪や爪、皮膚・粘膜を作るためにも必要です。
ビタミンB2が不足すると口内炎や皮膚炎などを起こすので、よくできる人はビタミンB2が不足している証拠だとして、食べるようにしましょう。
多く含む野菜…きのこ類全般、モロヘイヤ など
■ ビタミンB6
たんぱく質や脂質のエネルギー代謝に必要で、皮膚や粘膜の健康維持にも関わっています。
免疫機能の正常な維持にも活躍しているので、ビタミンB6が不足するとアレルギー症状が出やすくなります。
多く含む野菜…枝豆、そら豆、かぼちゃ、貝割れ菜、パプリカ など
■ ビタミンC
体内でのコラーゲン合成や、皮膚や粘膜の健康維持にも関わり、免疫力を高める強い味方です。
風邪やインフルエンザ予防はもちろん、高い抗酸化力の持ち主なので抗がん作用もあります。
美肌作りなどアンチエイジングにも良いことから、肌の調子が良くない場合、ビタミンC不足も考えられます。
多く含む野菜…ブロッコリー、パプリカ、ゴーヤー、カリフラワー、ほうれん草、柑橘類 など
■ 葉酸
ビタミンB群の仲間で、昨今は脳の神経細胞の維持に関係し、認知症予防効果が明らかになってきました。
また妊娠中や授乳中、胎児や赤ちゃんの発育にも必須な栄養素です。
多く含む野菜…青菜全般(小松菜)、じゃがいも、アスパラガス、さつまいも など
脂溶性ビタミンと食材
脂溶性とは油脂に溶けるビタミンのことです。
■ ビタミンA
視力、皮膚、粘膜、免疫などの機能に関わっています。
粘膜強化や目の健康に必須なビタミンで、抗酸化作用による抗がん効果もあります。
野菜に含まれるα-カロテンやβ-カロテンは体内で必要なだけビタミンAに変わるというメリットがあります。
多く含む野菜…モロヘイヤ、春菊、にら、かぼちゃ、にんじん など
■ ビタミンD
腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨や歯の形成を助けてくれます。
骨粗鬆症や骨軟化症の予防や、紫外線でその含有量が増えるため、太陽光で干したきくらげや干ししいたけに多く含まれています。生のきのこを自分で干しから使うことをおすすめします。。
多く含む野菜…きくらげ、干ししいたけ など
■ ビタミンE
抗酸化作用によって体内の脂質を酸化から守り、細胞の老化を防ぐことから、「若返りのビタミン」とも言われています。
がんや心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病の予防にもなり、ビタミンAとCとともに摂ることで抗酸化作用がぐっと高まります。
多く含む野菜…かぼちゃ、にら、ブロッコリー、パプリカ、モロヘイヤ など
■ ビタミンK
血液凝固作用として、普段は血液の凝固を抑え、出血時には血液を凝固させる働きがあります。
止血と骨の形成にもかかわるビタミンで、ビタミンDとともに骨を強くし、骨粗鬆症の予防にも有効です。
多く含む野菜…かぶの葉、大根葉、春菊、小松菜、ほうれん草 など
栄養を効率良く摂取する調理法
野菜のビタミンを効率良く摂取するためには、野菜の栄養を包み込む”細胞壁”を上手に壊してあげることが大切です。
細胞壁を壊すことでビタミン吸収率をアップできることから、梅酒などでも梅を冷凍してから漬け込む調理法があります。
細胞壁を壊す方法は、加熱調理をする・生のまま冷凍する・細かく刻むなどで、料理の際の使い勝手に合わせてください。
ミキサーなどで細かく撹拌することで細胞壁が壊れ、ビタミンが効率的に摂取できます。
使いやすいおおきさに切って、冷凍すれば細胞壁が壊れてビタミンが摂りやすくなり、また味が沁みやすく、素材の旨味が出やすいというメリットもあります。
凍ったまま電子レンジに入れてチンすれば熱が通ります。
栄養を効率良く摂取する調理法は「細胞壁を壊すこと」で、ビタミン吸収率をアップさせましょう。
水溶性ビタミンを効率良く摂取する調理法
水溶性ビタミンは、水に溶けるビタミンなので、水に溶け出した栄養も無駄にしないようにします。
スープや味噌汁、煮込み料理にして、ビタミンが溶け出た水分も一緒に摂るようにします。
若しくは、電子レンジを使って蒸すのもOK!
野菜の水分で蒸し上げることでビタミンを無駄なく摂取できます。
煮込み料理も電子レンジで作れば無駄がなく、ボウルに具材と調味料を入れたらチンするだけです。
出てきた水分はビタミンが凝縮・濃厚な仕上がりになるので、捨てることなくいただきましょう。
脂溶性ビタミンを効率良く摂取する調理法
脂溶性とは油脂に溶けるビタミンのことで、油がないと働かないということです。
つまり油と一緒に摂ってこそはじめて効果を得られるため、ビタミンがたっぷりの生にんじんを、油が入ったドレッシングで食べることで、ビタミンA効果が発揮されるということです。
食べ合せとして、とんかつや唐揚げなど油料理の付け合わせにしてもOK!
食事の中で一緒に摂ることでもビタミン効果は得られます。
油ではなく、胡麻・ナッツ類や牛乳など、食材の油脂分を利用してもよく、ごまを使った和え物も十分です。
一般的な油を使った炒め物も、熱を加えれば野菜の細胞壁も壊れ、ビタミンの吸収率は格段にアップします。
昔ながらの炊き込みご飯でも、にんじんなどの野菜と一緒に油揚げを入れると無駄なく栄養を摂取できるように、工夫次第で脂溶性ビタミンの栄養を得ることができます。
野菜に含まれる代表的栄養素3つの効果と効率的に摂る調理法
野菜に含まれる代表的な栄養素「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」の3つの効果と効率的に摂る調理法を各ページで紹介します。
- ビタミン<当ページ>
野菜に含まれる「ビタミン」効果と効率的に摂る調理法 - ミネラル
野菜に含まれる「ミネラル」効果と効率的に摂る調理法 - 食物繊維
野菜に含まれる「食物繊維」効果と効率的に摂る調理法
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東洋人である日本人のDNAによる体質をいかした食事を心がけて…♪
日本人(東洋人)の体質を基本に、温活・腸活・菌活を意識して、生活習慣と食生活を心がけましょう。
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