健康に役立つ菌を摂る菌活は、同時に免疫力を高める腸活になります。
悪玉菌が多い腸内にある状態から、善玉菌と悪玉菌のどちらの菌に傾く日和見菌を、善玉菌にすることが腸内を整えるきっかけになり、腸をきれいにするためには「食物繊維とオリゴ糖」をバランスよく食べることが必要です。
このように、第二の脳と言われる“腸”を整える「腸活×菌活」を心がけて強化することが、免疫力を高めることに繋がります。
そして“和”の発酵食品の味噌や塩麹などに含まれる麹菌や漬物の植物性乳酸菌、“洋”の発酵食品であるヨーグルトやチーズなどに含まれる動物性乳酸菌を合わせて料理をするなど、様々な発酵食品の菌を合わせることで、腸内フローラに良い影響を与えることができ、結果免疫力を高める「ダブル発酵食品」について紹介します。
Contents
発酵食品とは?
発酵食品の歴史はとても古くて、最古のものは約8000年前のコーカサス地方のワインと言われていて、日本でも古くから酒粕や麹を利用した漬物などが食べられていていました。
平安時代での味噌は、珍重された贅沢品で、食べ物に付けたり「薬」として利用されていました。
日本食の原点ともいえる味噌や醤油・かつお節・酒などは、すべて麹菌の恩恵に預かった発酵食品で、現代のように冷蔵庫ができるはるか前から「保存食」としても親しまれてきました。
発酵食品は、微生物の働きで栄養素が増えて蓄えられて、発酵前と比べて栄養価が大きくアップし、多くの健康効果があることが知られています。
発酵食品の効果と注意点:腸内環境を整える
発酵食品に含まれている“菌”は、腸内の悪玉菌の繁殖を抑えて善玉菌の働きを高める働きがあります。
それによって、腸内環境を整える効果がアップし、腸には免疫細胞の多く集まっているので、腸内環境を良くすると免疫力が高まります。
腸の働きは、健康な生活をするうえにあたって、とても重要な働きをしているのです。
発酵食品の効果
発酵関連記事でも紹介している「発酵食品の効果」ですが、一部抜粋しました。
発酵食品の効果
- 整腸作用:微生物が腸内環境を整え、便秘が解消!
発酵食品に含まれる微生物が、腸内の悪玉菌を減らして善玉菌を優勢にすることで、腸内環境を整えてくれます。
塩麹・甘酒ぶ含まれるレジスタントプロテインやオリゴ糖も整腸作用に効果があります。- 疲労回復:お酢や漬物の有機酸は疲労回復効果・スタミナの回復!
酢酸などの有機酸には、疲労回復効果があります。
塩麹・甘酒には米の栄養や、ビタミンB群が含まれ素早くエネルギーに変えるので疲れを取ってくれます。- 免疫力向上:免疫細胞を強化して病気になりにくい元気な体
腸の粘膜には多くの免疫細胞が集中していて、発酵の力で腸内環境が整うと免疫システムも整って、免疫力が向上します。
発酵食品の味噌は、胃がん・乳がんの予防に効果があると期待されています。- 精神安定:漬物に含まれる「GABA」が脳の興奮を抑えて心が軽くなる
漬物の乳酸菌が生み出すGABA-ギャバというアミノ酸が、脳の興奮を鎮める作用があり、ストレスを軽減させます。
納豆にはセロトニンの生成・分泌に必要なトリプトファンが豊富に含まれていて、精神を安定させてくれます。- ダイエット:血糖値を抑えて生活習慣病を予防し痩せ体質にする
整腸効果で便秘が解消されると、太りにくい体質に改善されるのでダイエットに効果がみられます。
酒粕に含まれるタンパク質のレジスタントプロテインは、食物繊維と似た働きをするので、腸に溜まった脂質を絡めて排出してくれます。- アイチェンジ:酒粕や麹には、美肌を作るビタミンやアミノ酸などの若返り成分が多い
酢のクエン酸は、美容に欠かすことができないミネラルの吸収を高めてくれます。
味噌にはシミの原因となるメラニンの生成を抑える働きがあります。
発酵食品は栄養効果だけではなく、旨味もアップしてくれるスグレモノです!
発酵食品の注意点
発酵食品に含まれる酵素は熱に弱いため、生きたまま取り入れたい場合は、加熱しないのが一番です。
しかし、乳酸菌など発酵食品が持っている菌は、加熱すると死滅しますが、善玉菌のエサになるため、腸内環境をよくしてくれますので、無駄になってしまうわけではありません。
たとえば、みそ汁を作るとき、出汁で具を煮て沸騰している時に味噌を入れるのではなく、味噌は60℃以上で麹菌が死滅してしまうので、味噌を加える温度にちょっと気を付けることで、酵素の働きは違ってきます。
そして味噌・しょうゆ・みりんなどの調味料は、便利な味付け加工されているものが多く、初めから酵素がない商品が多く売られているため、できることなら天然無添加の調味料をおすすめします。
関連記事で美腸になるための「ルール10の習慣化」を紹介しています。
合せてお読みいただくことで、お役にたてると思います。
ダブル発酵食品「腸活×菌活の強化」
「腸活×菌活」を強化するのに一番早い方法は、ダブル発酵食品をつくることです。
腸内の菌の種類が多いほど菌の活動性が増すため、多くの種類の発酵食品を少しずつ食べるのが効果的なんです。
そして、水溶性食物繊維とオリゴ糖を意識して食べるようにすることです。
水溶性食物繊維とオリゴ糖は、野菜の漬物などに、バランスよく含まれています。
健康食として注目度も抜群なぬか漬けは、生きて腸まで届く頼もしい植物性乳酸菌による発酵食品と言われていますが、乳酸菌以外にも酵母や各種細菌類などの様々な微生物が入り混じっているので、独特の風味をつくる複雑系の発酵によってできているうえ、日本人との相性も抜群なのです。
発酵食品は乳酸菌や麹菌、納豆菌、酵母菌などの微生物(菌)の働きによるものですが、多種多様の菌を混ぜ合わせた「ダブル発酵食品」によって、効率よくおなかの中で善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれるので、是非実践してみてください。
…と言っても、ほとんどの方が意識しなくても「ダブル発酵食品」を食べています。
日本の伝統調味料は、発酵食品で出来上がっているからです。
それらの食品を工夫することで、パワーアップさせて効率よく発酵食品を食べる「菌活」ができ、腸を整える「腸活」のチカラが発揮されます。
いくつか発酵食品の種類の例をあげていきます。
意外に多い、日本と世界の発酵食品
発酵食品を組み合わせるためにも、代表的な発酵食品を紹介します。
日本の発酵食品
日本の発酵食品の「麹」は、2006年「麹菌は我々の先人が古代より大切に育み、使ってきた貴重な財産」として、「国菌」に認定されています。
日本の伝統食で使われる「麹」は、体にいい発酵食品が多く、毎日の食卓に欠かせない食品です。
味噌・醤油・酢などの調味料をはじめ、納豆やぬか漬けなどの漬物、かつお節や塩辛、塩麹や甘酒…日本酒などの酒類もあります。
- 味噌
麹には、米麹や玄米麹・麦麹・豆麹などがあり、大豆に麹や塩を加えて発酵させている日本伝統の調味料です。 - 醤油
主に大豆・小麦などの穀物を原料とし、麹菌・酵母などで発酵させて製造する液体調味料です。 - 醸造酢・黒酢
酢の起源は非常に古く、最古の発酵調味料ともいわれ、醸造酢はお酒を酢酸発酵させたもので、黒酢も玄米や麹を仕込み、1年から3年もの長い時間をかけてゆっくり発酵・熟成したものだけを黒酢とし、2~3か月で醸造したものは、黒酢として正式ではないとされています、 - 納豆
納豆は、大豆を納豆菌で発酵させたもので、健康食として日本の食卓になくてはならない食品になっています。 - 甘酒
米に麹を加えて発酵させ、自然な甘みのドリンクとして歴史が長く、“飲む点滴”ともいわれて健康効果が注目されています。 - 塩麹
塩麹とは麹と塩と水を混ぜて、発酵・熟成させた日本の伝統的な発酵した液状の塩です。 - 漬物(ぬか漬け)
乳酸発酵させるぬか漬けは、植物性乳酸菌をはじめ多くの菌が混じっている生きて腸まで届く頼もしい菌で作られたものです。
発酵食品と知らずして食べているものも多く、日本で作られる和菓子「くず餅(久寿餅)」は小麦粉デンプンを乳酸菌で発酵させた「和菓子で唯一の発酵食品」と言われています。
日本では、豆や穀類などの「植物性たんぱく質」を発酵させて作る食品が多いのが特長です。
世界の発酵食品
海外の発酵食品とし、ヨーグルトやチーズなどの乳製品が代表になることが多いですが、野菜成分から発酵されるキムチやザワークラウトなどの漬物や、大豆製品のテンペや、ナンプラーなどの魚醤があります。
- ヨーグルト
牛乳や豆乳を乳酸菌で発酵させたもので、乳酸菌と言ったら「ヨーグルト」と親しまれている発酵食品です。 - チーズ
牛乳などを乳酸菌や酵素で凝固させて、微生物の作用で発酵・熟成させた、世界中で愛される発酵食品の代表格です。 - キムチ
乳酸発酵によるキムチは、唐辛子やショウガなどの野菜や、いか・たこなどの魚介などのさまざまな材料が複合的に発酵しているのが特徴の発酵食品です。 - テンペ
大豆をテンペ菌で発酵させた「インドネシアの納豆」と言われている発酵食品です。 - ザワークラウト
独特な酸っぱい味は“酢”ではなく発酵によってできた乳酸で「乳酸キャベツ」といわれるドイツの漬物です。 - 魚醤(ナンプラー)
魚類または他の魚介類と塩を主な原料にした液体状の調味料です。 - タバスコ
すり潰した唐辛子を密閉して発酵させて、約3年間熟成させてから酢を加えて完成した調味料です。 - 生ハム
ブタのモモ肉を生のまま塩漬けにすると乳酸菌によって発酵が進み、乾燥させて長期間吊るし熟成させる。 - サラミ
ひき肉に塩コショウを混ぜて、豚の腸に詰めて乳酸菌などで発酵させるイタリアの食品です。 - アンチョビ
カタクチイワシを塩漬けにして発酵させ、オリーブオイルに漬け込んである発酵食品です。
ヨーロッパなどの地域では、肉や乳製品などの「動物性たんぱく質」を発酵させて作る食品が多いのが特長です。
発酵食品の飲みもの
ワイン・ビールなどの酒類や、紅茶や烏龍茶(烏龍茶は半発酵)があげられ、お茶のなかでもプーアール茶は緑茶を麹で長期間熟成させて作る“後発酵茶”です。
日本での後発酵茶は、高知「碁石茶」・徳島「阿波番茶」・愛媛「石鎚黒茶」、などがあります。
おすすめは碁石茶は、2段階の微生物発酵でつくられている江戸時代からの伝統製法で、プーアール茶の20倍の植物性乳酸菌が含まれるといわれています。
ダブル発酵食品のチカラ
日本の「国菌」麹菌は、東洋にのみ存在すると言われる有用微生物で、この麹菌は、東洋以外には存在しないものなので、日本人のDNAで、体に慣れていて、体が対応するようになっているといわれています。
ですから、日本人の体に合っているのです。
食べ物で作られている腸内フローラは、民族・食文化によって異なっていて、食べてきたものが違えば、それに対応する菌の種類やバランスも異なります。
海外からやってきた“菌”を食べると共に、日本人に合う“菌”も同時に食べるようにすることで、体が受け入れやすくなりますし、腸内の菌の種類が多いほど菌の活動性が増します。
多くの種類の発酵食品を少しずつ食べる「ダブル発酵食品」が効果的なんです。
毎食、発酵食品をダブル(2種類以上)で食べるように心がけ、発酵食品のチカラを信じて食事を心がけてみましょう。
効率よく「腸活×菌活」を強化して、腸を整えて免疫力を高める食生活をおすすめします。
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東洋人である日本人のDNAによる体質をいかした食事を心がけて…♪
日本人(東洋人)の体質を基本に、温活・腸活・菌活を意識して、生活習慣と食生活を心がけましょう。
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